追記というか状況整理
昨日の投稿は、三中全会招集→要人(国務院秘書長・楊晶)免職→改憲で習近平の国家主席続投可能のコンボですっかり慌てふためいてしまいました。結局袁世凱ネタが飛び交っただけですかね…
改めていくつかのポイントを整理します。まずは「三中全会がこのタイミングで開催されることについて」。
昨日の記事で「異例」と称した三中全会の招集経緯ついて、大変よくまとまった内容がRFI(ラジオ・フランス・インターナショナル)から報じられてます。
以下部分引用訳
「中国共産党が国家樹立してのち、歴代の三中全会が最も早く開かれたのは6月で、最も遅かったのは12月、これまで2月の開催はない。清華大学政治系講師の呉強によると、慣例に照らせば今年1月に開かれた二中全会でもともと両会人事を討議するはずが、しかし結果として討議は憲法改正だけとなった。全人代と政協に人事リストを提示するため、両会の前に一度中央全体会議を開かなくてはならず、短期間のうちに三度中央全体会議を開催することとなった。」
このように「二中全会で議論し決めるものが、憲法改正しか話し合えなかった。そのため両会前に再度召集することにした」というのが直接的な理由です。
これは二中全会閉会後の1/22には香港明報、そして星島日報が「二中全会では憲法改正しか討議されず、三中全会が早ければ2月上旬に開かれる模様」と報じていることと平仄が合っています。
https://news.mingpao.com/pns/dailynews/web_tc/article/20180122/s00013/1516558447035
http://std.stheadline.com/daily/news-content.php?id=1734305&target=2
まあ二中全会で「憲法改正しか決まらなかった」のか、「人事で揉めたため憲法改正しか決められなかった」のかの解釈はメディアや識者により異なりますが。
ともあれ、「今までに例はないがプロセスとしてはおかしくない」というのが三中全会招集の評価となるようです。
また前日のブログで「二中全会で決まってない多選禁止文言の削除なんてしたら」と書きましたが、これについても「二中全会ですでに改正内容が決められていて、昨日その詳細が公表された」というプロセスである以上、「合法クーデター」云々は騒ぎすぎましたね。常日頃からきちんとウォッチしてなかったら所詮こんなもんだと指差して笑ってくださって結構です。失礼しました。
以上、「三中全会開催について」だけでこんなに書いちゃいました。また肝心の「国家主席連任が可能となった意味」と、「両会人事」については、余裕があれば項を改めたいと思います。