【久しぶりの政治ネタ】
任期満了の劉淇に代わる北京市党委書記に、北京市長の郭金龍(64)が昇格。後任の北京市長には市政協主席の王安順(55)が就任する模様。
多維網

十八大を間近に控え、北京で大きな人事異動が発生しました。郭金龍はこれで中央政治局への入局が確実視。年齢的に一期5年だけでしょうが、名実共に「指導部」入りです。

郭金龍は団派と言われていますが、実は共青団経歴はありません。チベット赴任前は四川省での仕事が長く(楽山市長⇒四川省党委副書記)、この時期に訒小平李鵬の保守派ラインに認められ、その後チベット党委書記⇒安徽省党委書記⇒北京市長と出世してきました。言ってみれば胡錦濤と同じ、保守派元老を支持基盤に持つバランス型の政治家と言えるでしょう。1995年の陳希同の失脚以降、首都である北京市のトップは、賈慶林ー劉淇と、江沢民との関係が濃いといわれる人物が17年間もトップを務めて来ました。そんなズブズブの江沢民王国だった北京トップに江沢民との関係が薄い郭金龍が入る訳で、これはもう胡錦濤大勝利!と言っていいのではないでしょうか。

んでもって王宝順ですが、江沢民に近いと産経さんなんかは書いています(リンク参照)。曾慶紅主導による、「プチ周永康製造工程」という見立てでしょうか。しかしながら、ウォッチャーの偉大なる先達で、今でも読み返すことがあるこのブログのこちらのエントリーでは、王安順の上海⇒北京転出は、胡錦濤主導で行われたとのこと(香港の評論家、ウィリー・ラムの見立てですが)。さあ一体どっちなんでしょう?

いずれにせよ今回の人事ではっきりしたのは、陳希同〜賈慶林〜劉淇と主を変えてきた「北京閥」という一大利権集団が、中央によりほぼ解体されたということと考えております。結果論からいえば、一期5年で上海閥に大鉈を振い、二期目5年で北京閥も解体したのですから、まあ胡錦濤というのは中々にやる人ですわな。現在の地方みたいに「プチ北京閥」が跋扈しないことを願ってやみません。